さっきまでとは違う、こっちのペースを考えてしてくれる過保護なくらい甘いキス。
熱が回るのは早かった。
くらくらして、さっきの余韻で涙が滲むなか、一生懸命に言葉を紡ぐ。
「私、おかしくなっちゃう、よ」
「……なんで?」
私が掠れる声で言ったにも関わらず、一度顔を離して優しく聞いてくれる。
「だって、キスしすぎて、気持ちいいの止まんなくて、頭ずっとじんじんしてる……」
「……へぇ、気持ちよくなれてえらかったね。じゃあもっと気持ちよくなろっか」
彼の瞳が嬉しそうにすうっと細められて、いつの間にか夕日の代わりにでてきた月の光に照らされた。
その姿はまさに、ヨーロッパの美術館に飾られている絵の1枚を見ているんじゃないかってくらいに綺麗。
近づいてくる唇を受け止めるくらいしか私にはできなくて。
━━━━━暴力的な美しさに、どうしようもなく溺れてしまう。



