何を見せられているんだろう。
どっちにしろこの場にいる私は去るのが最善策。
これ以上殴られたくもないし、弘樹くんと麗華がイチャつくのも見てられない。
まだ痛い頬を抑えて立つとフラフラした。
これ、歩けるかな。ここで倒れるとまた面倒くさいことになりそう……。
グッと力に足を入れて無理矢理立つ。
「お姉ちゃんばいばーい♡」
もう夢なんて見んじゃないわよ、という副和音付きの麗華の甲高い声を聞きながら、フラフラとした足取りで私は住んでいたアパートを後にした。
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マンションを出て少し歩くと頭の痛みがズキズキと酷くなってきた。
「うう、辛い……」



