「……でも、」
きゅ、と手を強く繋ぎ直して、こっちを真っ直ぐ見てくる朝光くん。
雰囲気がさっきの甘い空気から、少しだけ怒りを含んだものになった気がした。
「男と安易に2人になるな。凪もなるべく」
「……え、凪くん?」
「うん。あいつは優しそうに見えて、すげー女泣かせなやつ、だから」
凪くんのこと、全然掴めない。
あんなに紳士で優しそう、なのに。
女泣かせ、の意味はよく分からないけど、いい意味でないことだけはわかったのでコクコク頷く。
「ん、いーこ。ほんとに咲良が襲われたらって思うと俺、気が気じゃないから、」
ぎゅう、と存在を確かめるように優しく抱きしめてくれる。
「わたしなんか、可愛くもないし襲われるはずがないよ……」
「咲良ほど可愛い女いないから」



