目の前で面白そうにほくそ笑む麗華。
と思ったら次の瞬間には前髪を掴まれて壁に押し当てられた。
そこまで強くは持たれていなかったから痛くはないけどすごく屈辱的なことをされているのは分かる。
頬と頭が痛くて、悔しくて、とうとう堪えきれずに涙が零れてしまった。
「そう、その顔が見たかったの。あんたは意思なんてもたずにそうやって泣いてればいいの。第一、弘樹と付き合おうとするからそうなったのよ。あんたなんかが愛されるわけないのにね」
壁に頭を押し付けられながら浴びさせられる犠牲の数々。
朦朧としている頭で聞くと、麗華の言っていることが正しいようにも思えてきた。
私が、幸せになれるはずがあるわけない気がして。



