最強総長は虐げられた姫が可愛くて仕方ないらしい。



「な、んで私が不幸にならないといけないの……?」

初めてだった。口の中がカラカラに乾いていたし、目の前の景色は涙で滲んでいたけど初めて、麗華にした反抗。

でも言ったあとに後悔した。麗華の目がつり上がったから。


「人形が口答えしてんじゃないわよ!」


バシッ!


鋭い音がして麗華の手が私の頬に当たった。

ゴッ


その音の少しあとに聞こえる鈍い音と私の体が崩れる音。

同時に頬と頭に感じる激しい痛み。グラッとよろけて壁に頭をぶつけて座り込んでしまったらしい。


目の前がチカチカして何も分からない。痛い、という感情だけが脳にダイレクトに伝わって気が狂いそう。


ぼーっとするしかできない、正常に機能しない脳。