耳に何度も入ってきた甲高い声が聞こえてきた。姿を見なくてもわかる。
麗華、だ。
「何しに来たの、」
「あははっ!決まってるじゃん!可哀想なお姉ちゃんを慰めにきたの!」
面白そうにキャハハッっと笑う麗華。
昔から私が不幸な目にあったとき、麗華はこういう笑いをする。
私以外の人の前ではしない、心のそこから人の不幸が面白いと思っている笑い方。
その笑いに、また私は麗華が作った私を不幸にする罠に嵌められたんだと実感して惨めになる。
ぐ、と下唇を噛んでまたせりあがってきた涙をこらえる。ここで泣いたら麗華の思うつぼだ。
「……つまんない」
「……え?」
「あんたはずっと私に不幸にされて泣いてればいいのよ!早く泣きなさいよ!」



