ななちゃんのお母さん、熱出ちゃったんだ……。行ったら絶対迷惑、だよね。
ゆっくり休んで欲しいし、私がななちゃん家に行くのは無理そう。
『なんでもないよ!お母さん、お大事にしてって言っといて』
ネコのスタンプと一緒に送ると、軽くため息が出る。
ななちゃんまで頼れないとなると本当にどうしよう。
藁にもすがる思いでスマホの支払いアプリを見ているとさ、幸い1万円ほどのお金が入っていた。
安いビジネスホテルとかに泊まろうかな……。さすがに野宿はできないしね。
地図アプリを開くとここから割と近くにあったから、麗華にあっても嫌だし早めに行こうと足を進めたとき、
「あ、いた!お姉ちゃん!」



