最強総長は虐げられた姫が可愛くて仕方ないらしい。



……やっぱりな。

そんなことだと思ってた。
さっきからやけに莉亜、とかいう女を褒めるし。


すげーこの女、顔赤くしてるし。


そのためだけに、俺は咲良との時間を潰されたのかよ。


あー、やばい。笑顔がひきつりそー。


そんな俺を見た親が、目で『絶対に失礼なことは言うな』と呼びかけてくる。


さすがにそんなこと分かってるから、顔の筋肉に力をいれて、人受けの良い笑顔を作った。


「すみません、今は学業に集中したくて……、」


目を伏せながら言えば、莉亜という女はひどく悲しそうな顔をした。


それからしばらくして、懇親会はお開きとなった。


顔の筋肉が疲れてやまない。


早く家に帰って咲良に会いたい。


親に引き止められたけど、ろくな挨拶もせずに井口を呼んでビルから出る。



「朝光さま」



「なんだ」