「咲良、落ち着いた?」
「っ、はい。め、迷惑かけてごめんなさい……」
「ん、いーよ」
まだ若干目が腫れぼったい感覚はするけど、もうこれ以上は出ないだろうと不思議な自信が湧いてくるくらいには泣ききった。
何となく朝光くんの顔を直視できなくて、目の前の逞しい胸を見るとそこには、
「わああ、スーツごめんなさい……!シミになっちゃいますよね……」
私が散々泣いて濡れてしまったスーツが。
私の馬鹿……。どうして朝光くんの胸で泣いちゃうの……。
「いーよ。こんなんたかが50万くらいでしょ」
「ひぇ、」
弁償します、という言葉はあまりに多額の金額に飲み込んでしまった。
ご、50万……!?それをたかがって……。



