にも関わらず、木製のドアの取っ手は回って。
「……っ、なにしてんの、」
私を見てびっくりしたように表情を変えた朝光くん。
なぜかスーツを来ていて、いつもよりずっと大人っぽい彼は、その雰囲気に似合わず、焦った様子でこっちに駆け寄ってきてくれた。
私の近くに来ると、焦りを隠そうともせず瞳に宿していて、動揺しているのがこちらにも伝わってくる。
捨てられたと思っていたはずの朝光くんが目の前にいる衝撃と、スーツ姿で焦っている表情のギャップとで、何も言葉が出ない。
言葉に詰まっている私を見た朝光くんの綺麗な手がゆっくりと頬に伸びきてきて。
反射的に殴られる、と思ってしまった。
避ける、なんてスキルが私にはないから、責めて痛みを抑えようと固く目をつぶる。



