声をかけるけどしーん、と静まり返っているだけの室内。
私のか細い声だけが広い廊下に響き渡って、反響していく。
「……はいり、ますね」
電気もついていない真っ暗な部屋。
全く人の気配を感じられないそこに少しだけ恐怖を覚える。
「あ、朝光くん……?」
昨日、ご飯を食べさせてもらった部屋とか寝かせてもらった部屋とかも見てみるけど朝光くんの姿はどこにもない。
ただただ私の声が吸い込まれていくだけ。
''お姉ちゃんが誰かに愛されるわけないもんねぇ''
脳内に響く麗華の声。
今ここに麗華はいないのに思わず肩が震えた。
知ってる、分かってるよ。そんなこと。
麗華みたいな子が幸せになって、私はこのまま誰にも愛されない人生だって予想も簡単。



