「す、すみません。起こしてくれてありがとうございます……」
「いえ。お構いなく」
なんの感情の動きも示さずピシャリと言った井口さん。
受け答えが早いし、所作もすごくキビキビしていてロボットみたい、なんて失礼なことを思ってしまう。
「こちらのカードは黒羽家の特別なICチップが埋め込まれているので、ドアもこれでお開けになってください」
お手本を見せるように井口さんがカードを近づけると、ピ……という電子音がしてドアの内側からガチャ、とロックが開く音がした。
「す、すごい、ありがとうございます」
カード式の鍵なんて初めて見たから目を輝かせてしまう。



