最強総長は虐げられた姫が可愛くて仕方ないらしい。



「こ、子供じゃないから自分でできるっ、」


「もう試合始まっちゃうから、ね?」


されるがままになってしまった。

視界が閉ざされると、ふんわりとホワイトムスクの朝光くんの匂いが漂ってくる。


控えめで、でも他に引けを取らないような存在感のあるいい匂い。

私の好きな匂いだと思う。


視界が開けると、朝光くんの黒い瞳と目がかち合う。
想像以上に距離が近くてどきり、と心臓が跳ねた。



「下も履かせてあげよっか?」


「だ、大丈夫!」


これ以上人に注目される訳にはいかない。
今度は性格に腰周りを確認して履いたけど、両方ダボダボ。


「はは、ぶっか」


必死でズボンの腰周りを巻いている私を見て面白そうに笑っている朝光くん。


私の足が短いのももちろんあると思うけど、朝光くんの足がそれ以上に長すぎるんですよ……。


でもさっきまでとは違ってポカポカしていてなんだか安心した。