「れ、麗華。落ち着け、な?」
「ううっ、お姉ちゃん違うの!私と弘樹は1ヶ月くらい前から付き合ってたのっ……!
ごめんね?私が弘樹のこと好きになったから全部悪いんだよね……。でも、弘樹のことを責めるのだけは見てられないっ!」
ぐすっと泣きながら訴える麗華。わ、私弘樹のこと責めてなくない……?
ていうか、1ヶ月前って浮気してたってこと、だよね。
好きになったより、たちが悪いよ。
私の目の奥にも涙が出てくる感触がする。
「麗華っ、俺のために……。なんでそんなに優しいんだよ……」
「弘樹が傷つけられてるのを見たくなくて……」
目の前では麗華を庇うようにして立った弘樹くん。これ、私が完全に悪役だよね。



