「空より、アユくらいかわいい子が中学生作家って言ったほうが出版社だって学校だってうれしいよね? 空は目立つのきらいだもんね」
アユちゃんは本気なんだ。

「親友だったらできるよね?」

***

九月一日。二学期の始業式の日の朝。

あれから閲覧室には行けていないから、先輩にはまだコンテストの結果を報告できてない。

『二年、拝島空さん。至急、職員室に来てください』
え? こんな日に職員室に呼び出し?

ふしぎに思いながら職員室にいくと、担任の隣にアユちゃんがいた。

「加地から聞いたぞ、拝島。加地と一緒に小説家デビューするんだってな。おめでとう」
「え……」