その昔、この世のものとは思はぬ力ありき。 わたりに幸福を与ふと同時に、絶望をも与ふと言はれたりし力なり。 限られし血族のみ持つる、多大なる魔術。 この世に人の心だに敵わないものありとせば、果たしてそれらはわびしき力となるや。 されば、なにがそれを変ふや。 金か?制裁か?戦か? 最果てやうには命を捧ぐることにならずや。 否。 いつかすべて許し、受け入るべかりしほど。 わたりはそれを、愛と呼ぶ。