「風にゆれる葉は青く

 その身に時を刻みつつ

 夏は心地いい(かげ)をつくる

 さあ手を当ててごらん

 伝わってくるよ

 それは(つむ)がれし無数の記憶


 忘れてしまったの

 この街の宝物

 クスノキはそこにある

 いつだって大切なものは

 失ってはじめて気づくから

 黙りこまないで

 うつむかないで

 わたしは歩きだす


 公園の片すみ

 この木の下で出会ったふたり

 父と母が笑っているよ

 思い出のなかで永遠(とわ)に」


 曲は、一番のサビに入っていく。


「だから今日も歌うんだ

 語りかけるように

 信じているんだもの

 ふたりに声がとどいているんだって

 クスノキの不思議な力

 素敵なひとに出会ったの

 光照らすほうへ進んでいける

 またひとつ紡がれる

 大切な記憶」