司会の女性に呼びこまれ、わたしと花宮くんは舞台に出ていった。
頭がふわふわして、足元がおぼつかない。
耳鳴りがして、現実感がなくて、なんだか悪い夢を見ているよう。
気がついたら、わたしは花宮くんと並んで、舞台のセンターマイクの前に立っていた。
「待ってました、花宮―っ!」
「花宮くーん! がんばってーっ!」
花宮くんの友だちかな? 男の子たちの声がしたけど、それを上回る音量で、女の子たちの黄色い歓声が観客席からとどいてくる。
「樹生―っ! 芽衣ちゃーん!」
あっ、乃々果お姉さんが応援にきてくれてるっ!
うれしいっ!
「芽衣――っ! がんばれえ――っ!」
続いて、一番大きな声援が、わたしに送られた。
今のは、萌ちゃんだ!
ありがとう、がんばるよっ!
打ち合わせどおりに、まずは花宮くんのスピーチ。
「ぼくたちは、大楠公園のクスノキの伐採に反対です。樹齢四百年にもおよぶ巨木で、ずっと、この街を見守ってきてくれた守り神です。どうしても伐採しなければならないなら、他の場所に移すとか、残していく手段はあるはずです。みなさんにも、この問題について考えてほしいんです。今日は、ぼくたちのキモチを歌にこめて披露したいと思います」
ふたりそろって、ぺこりと頭を下げる。
頭がふわふわして、足元がおぼつかない。
耳鳴りがして、現実感がなくて、なんだか悪い夢を見ているよう。
気がついたら、わたしは花宮くんと並んで、舞台のセンターマイクの前に立っていた。
「待ってました、花宮―っ!」
「花宮くーん! がんばってーっ!」
花宮くんの友だちかな? 男の子たちの声がしたけど、それを上回る音量で、女の子たちの黄色い歓声が観客席からとどいてくる。
「樹生―っ! 芽衣ちゃーん!」
あっ、乃々果お姉さんが応援にきてくれてるっ!
うれしいっ!
「芽衣――っ! がんばれえ――っ!」
続いて、一番大きな声援が、わたしに送られた。
今のは、萌ちゃんだ!
ありがとう、がんばるよっ!
打ち合わせどおりに、まずは花宮くんのスピーチ。
「ぼくたちは、大楠公園のクスノキの伐採に反対です。樹齢四百年にもおよぶ巨木で、ずっと、この街を見守ってきてくれた守り神です。どうしても伐採しなければならないなら、他の場所に移すとか、残していく手段はあるはずです。みなさんにも、この問題について考えてほしいんです。今日は、ぼくたちのキモチを歌にこめて披露したいと思います」
ふたりそろって、ぺこりと頭を下げる。


