ウソの魔法に、君とかかる (短)

「わー、すみませんでしたッ」



例え邪悪な笑みでも、それでも瑚白くんの笑顔を見られるのは嬉しい。

その笑顔を見てると、私まで幸せになれちゃうから。

だから「ドキドキするけど笑ってくれるならやってみよう」って力が湧く。


やっぱり、恋って魔法だ――



「じゃあ次は、呼び捨てに挑戦だな」

「そ、それはさすがに早いです……!」



ひぃ!と顔を、両手でおおった私。

すると、そんな私の手をどかす、瑚白くんの大きな手。

そして――



「ふは、冗談だよ」



夕日に照らされた顔に浮かぶ、弾ける笑顔。

その後ろで、河原沿いに咲くオレンジ色の花が、私たちを見てフワリと優しく揺れていた。



【 完 】