「あのさ、黒瀬くん」
「ん?」
「さっき教室で言ったこと……。
勢いじゃなくて、本当だからね?
私は、黒瀬くんが好き。
っていうか……大好き、です」
「っ!」
すると、今度は黒瀬くんが顔を赤くした。
「なんでもドストレートに言いやがって…」と恨み言まで聞こえる。
「もっとオブラートに包むとか、何とかしろって……」
「お、お互い様だよっ。
それより……黒瀬くんからも聞きたいな」
「なにを?」
まるで犬が頭をコテンとするみたいに、本当に分からない顔をしてる。
黒瀬くん、アレだよっ。
「さっき言ってくれた”好き”って言葉を、ですね……もう一度、聞きたいなって」
「なっ!」
黒瀬くんが、もう一段階、顔を赤くしたところで。
ピンポンパンポーン、と校内放送がかかる。
『一年の黒瀬、暮石。至急、教室に戻るように。繰り返します。一年の――』
呼び出されている人物が私たちで、呼んでる声は担任だと、すぐに気づいた。
私たちは「ぷっ」と互いの顔を見て笑った後、同じタイミングで席を立つ。



