「黒瀬くんがいなかったら、私……今も一人で泣いてたと思う。

だから、ありがとう。
私を助けてくれて、私に幸せをくれて。

それに……

好きって言ってくれて、嬉しかったッ」

「なっ!」



ボンっと、沸騰したように顔が赤くなった黒瀬くん。

「そういやそうだった」なんて言いながら、口に手をあて、なにやら必死の表情。



「公開告白したんだった……どうやって教室に戻れっていうんだよ。絶対質問攻めされるだろ……」

「確かに……。でも正直に言うしか……ね」

「そうだな……」



黒瀬くんは、はぁと一息ついた後。



「ウソの彼氏彼女じゃなくて、本当の彼氏彼女になったって。みんなに言わないとな」



しれっと、そんな事を言った。



「~っ!」

「おい、なんで顔が赤くなるんだよ」

「そ、そんな大胆なことを、スラスラ口にするから……!」



照れて教室に戻りたがらない割には、私が恥ずかしくなる言葉を、黒瀬くんはポンポン言う。

恥ずかしい。
でも、その正直な言葉に安心する。


私たち、本当の彼氏彼女になれたんだ――