「あ……そう言えば」



――やっぱり怖いグループだな……。恭子ちゃんが心配だよ



恭子ちゃんが怖い女子グループと仲いいからって、心配した事もあったなぁ。

今さらだけど、私、なんにも分かってなかったんだ……。


すると黒瀬くんも、私と同じ言葉を口にした。



「何も分かってないな、純粋な奴だなって思った。でも、それ以上に……

いい奴だなって思ったんだ」

「いい……私が？」

「誰かを心配するってのは、良い奴にしか出来ない事だろ。暮石の、そんないい部分を見てたら……あの日、日比谷に裏切られた暮石を、放ってけなかったんだ」

「黒瀬くん……」



そうなんだ、だから私に……


――じゃ、俺がもらう
――今日、俺と一緒に帰ろう？
――一緒に帰りたい


あんな優しい言葉を、かけてくれたんだね。



「私が”いい奴”なら……黒瀬くんは”もっといい奴”だね」

「え？」