ウソの魔法に、君とかかる (短)


「暮石さん、ごめん。さっき廊下で話したことは、女子グループに盗撮されてて……。

細かく録画して、日比谷さんに送ってたんだと思う」

「そう、なんだ……」



だから黒瀬くんが「脅した」と発言したことを、教室にいた恭子ちゃんが知ってたんだね。動画を見たから……。



「日比谷さんから脅されて、断れなくて……。ごめん……っ」

「ううん……。正直に言ってくれて、ありがとう」



すると、その時だった。

恭子ちゃんたちが固まった教室の端。近くのドアが、ガラリと開く。

立っていたのは、担任。



「今の話」



と、教室の中を見渡した後。青い顔をした恭子ちゃんと怖い女子グループを見る。



「今の話をじっくり聞くから、一時間目は自習にするわ。関係する生徒は、呼ばれた順番に呼ばれた場所へ来ること。

まずは日比谷さん、それと花崎くん。いいわね?」

「ちょ、私は……!」
「……行こう、日比谷さん」



グイッと、花崎くんは恭子ちゃんの腕をとる。

「離してよ!」ともがく恭子ちゃんだけど、花崎くんは、決して力をゆるめなかった。