ウソの魔法に、君とかかる (短)


「恭子ちゃんが黒瀬くんを好き……?」
「だから別れさせたかったの?」
「花崎くんを脅す? ムリヤリ告白させる⁉」



「な、……違う!」と、言い訳する恭子ちゃん。

そんな彼女を見る、クラスの皆と――黒瀬くん。



「ち、違うの、黒瀬くん……!
私は、ただ……!」

「……ねぇ、」



ねぇ、恭子ちゃん。

好きな人のためなら、女の子って、たまに暴走しちゃうときあるよね。

私だって、そうだよ。

恭子ちゃんに「今がチャンスだよ」って言われて、花崎くんが私のことを好きなわけないのに「両想いのはず」って勝手に思いこんだ。都合よく考えた。


恋って、魔法なんだよ。


その魔法で、女の子はキラキラ輝くことも出来るけど……使い方を間違えたら、とんでもない事になる。

例えば「好きな人を傷つけちゃう」とか――



「恭子ちゃんは、黒瀬くんを傷つける言葉を言ってうれしい? 幸せ?」

「!」

「私は……絶対に、イヤだ。心があたたかくなる言葉を、言ってあげたい。そして好きな人には、笑っててほしい」



頭の中には、笑ってる黒瀬くんの顔。

その顔を思い出すたびに、心臓がにぎやかになったのは……好きな人の笑顔を見て、嬉しかったからだ。

黒瀬くんが笑ってくれると、とても幸せな気持ちになれるの。