ウソの魔法に、君とかかる (短)

「昨日の雫ちゃんの告白をさ、ずっと録画してたんだよね。だから、それを見せたの。

”告白してきた女の子を見捨てて逃げる花崎くんを、みんなが見たらどう思うかな?”って言ってね」

「!」



そんなの……、そっちの方が脅しだ。


だから花崎くんは、好きでもない私に「好き」と告白したり、したくもない演技をしていたんだ。

反対に黒瀬くんは、私がまだ花崎くんのことを好きだろうと思って……だから、自ら身を引いた。

そして私を守った。


自分がワルモノになってまで……っ。



――毒って、みんなにとって”悪いもの”だろ。

――だから……なってやろーよ。ワルモノに

――もう泣くなよ。がんばれ



「……~っ!」



クラスの人から悪く言われ、後ろ指をさされて……それでも平気な顔をして、席に座ってる黒瀬くん。

言い返すこともなく、”私と二人で考えた事”だと事実を打ち明けることもせず……全部、ひとりで責任を背負ってる。

全ては、私のために――



「もう、ムリ……」

「え?」



ギュッ、と。拳を握る。

そして、はじめて――


キッ


恭子ちゃんを睨んだ。