ウソの魔法に、君とかかる (短)


私のために、昨日はずっと一緒にいて、励ましてくれた。

朝は迎えに来てくれて、私と一緒に登校してくれた。

さっきだって……私を守ろうとしてくれた。


黒瀬くんには、もう何度も助けられてる。それくらい、私にとって大切な友達。



「とも、だち……」



な、はずなのに。

頭の中の黒瀬くんが笑うと、私の胸がキュッと小さくなったり、かと思えば大きく跳ねたり。

私の心が、こんなに騒がしくなるのは……どうしてなんだろう。



「……ごめんね、変な事を言った」

「え、」

「彼氏もちの暮石さんに、わざわざ言う事じゃなかったなって。ごめんね、忘れて」

「あ、あのっ」



教室に戻ろうとする花崎くんへ、遠慮がちに手を伸ばす。


だけど、その時だった。



「付き合ってないけど」



まるで花崎くんを、通せんぼするように。

いつの間にか、黒瀬くんが廊下に立っていた。