「ーーーこ…、ーー……きて、ーー…こ、───マル子、起きて」



あ、おはようございます。
もう朝ですか?

おかしいな、さっきまで学校から家にお利口さんに帰っていた気がするのですけれども。


なんか見知らぬ倉庫にいる……ような。



「あれ…、おかーさん……?今日は確か握手会参戦日だから…帰らない日なんじゃ……」


「しっかりしてマル子。ちがう、俺たち拉致られたの」


「……らち…?……らち…、拉致……?拉致!?!?」



ガバッと飛び起きようとしたけれど、それさえできなかった。


ひんやり冷たく、固いコンクリート。
いまだに制服姿の自分。

倉庫内も薄暗く、外はどうなっているのかまったく見当つかない。



「わっ!手も足も縛られてる……!えっ、村雨くんっ」


「おはよ」


「おはようっ!って、ちがーーう!」


「……マル子はほんっと、どこ行ってどうなってもマル子なんだね」