「俺の同級生のムラマサホコじゃなかったようだ」 朝食を食べ終わった脇田がスマホを置いて言う。 実家に電話して、卒業アルバムを見てもらったが、ムラマサホコという名の生徒はいなかったそうなのだ。 「座敷童ですかね……」 と怯えたように由良は言ったが、小林は、 「いたのは、村昌彦(むら まさひこ)だったよ」 と言う。 「男じゃん」 と星子が言うと、 「学校一のヤンキーで有名人だった」 としみじみと思い出すように小林は目を閉じた。 学校一のヤンキーで有名人なのに、何故、忘れてたんだ……、 とあやめは思う。