「賛否の否(ぴ)しかない映画だったな」 涼やかな風にスクリーンの向こうの木々が揺れる中。 村正は渋い顔でエンディングの流れる画面を見つめている。 「じゃあ、なんで最後まで見たんですか」 あやめは途中で映画を見ることを諦め、キャラメルポップコーンの作り方をユキコに聞いたりしていた。 「俺はなんでもやり遂げたい性格なんだ」 ……好みでないB級映画なら、最後まで見届けなくてもいいかと思いますね。 この人、兄と気が合いそうだ、とあやめは思った。 兄もよく最後まで歯を食いしばって見ているからだ。