真珠の首飾り、あるいは女王の薔薇

「二度踊るなんて子どもっぽいかもしれない。それでも、嫌なんだ。きみが、他の男性からダンスに誘われるところを見たくない」


──ジュディス。もう一度私に、今宵、あなたと踊る栄誉をいただきたい。


「きみは私の婚約者だと、示したいんだ」


懇願するような、擦れて小さな声。


「ええ、もちろんよ。あなたはわたしの婚約者ですもの。子どもっぽいだなんて言わないわ」


嬉しい、と手を握り返す。端に避けていたウィルは、満面の笑みで中央にエスコートした。


二曲目の始まりに合わせてステップを踏むと、周囲が少しざわついた。


ああ、何人かご令嬢がショックを受けている。女性人気の高いウィルだもの、そうよね。声をかけるためにいらした方もいるわよね。


きょろきょろ見回すわたしを、「ジュディス」と短くウィルが呼ぶ。


「なあに」

「頼むから、私を見ておいて」

「頼まれなくても、あなたを見たいわ」


うつくしいシャンデリアの輝きに負けず、ウィルはうつくしく手を差し出した。