真珠の首飾り、あるいは女王の薔薇

「きみは、私などでもよいと言ってくれる?」


おそるおそるの確認に、思わず笑った。かつて聞いてしまった理想の相手談義を思い出してしまったから。


私などでもよいと言ってくれるひとにお願いする──お願いされるまでもないわ。


「あら、わたしはあなたでなければ嫌ですわ」


指先に降っていたキスが唇を塞ぐ。


「っ」

「ジュディス」

「ウィル、まだ明るいのに、」


は、と荒い息を整える。明るいこと以外にもいろいろと言わなくてはいけないはずだったのだけれど、合間の息継ぎに精一杯でそれしか出てこない。


「灯りを消そうか。薔薇の札をかけたのはきみだ。誰も来られない」

「違います! そうではなくって……!」

「きみの夜は陛下のためにある」


短い言葉はなにも理由にならず、釈明にもなっていないのに、わたしを固まらせるには充分だった。