熱中しだした私に、老執事もメイド長も呆れた顔をしている。

「あーなるほど、坊っちゃまは考察とかお好きですものね」
「マリアリーゼ様もミリアリーゼ様もやりますなぁ。坊ちゃんは掌の上、と」

 結局その後の私は、二人が部屋を去ったことにも気がつかないくらい書籍に没頭した。

 そうして、私は対ステファニーの技術力を着実に蓄えていったのである。