狐火の家のメイドさん 〜主人に溺愛されてる火傷だらけの侍女は、色々あって身一つで追い出されちゃいました。



 天を仰ぐ飛脚に、希海は不安そうに服の裾を引く。

「おにーさん、難しい? だめ?」
「いえ! いえいえいえ、とんでもない! このおにーさんが、たかにぃ様を見つけ出し、お手紙を届けてしんぜますとも!」
「!!」

 嬉しそうにふくふくのほっぺを綻ばせる希海に、飛脚は覚悟を決めた。

 探偵の如く、たかにぃの容姿を聞く飛脚に、希海は神妙な顔をして、「茶色の髪なの」「お目目は、のんと一緒なの。(あか)いのよ」「背は高いの。のんは、たかにぃの肩に手が届かないの」と、自身の持つ情報を一つ一つ伝えていく。

 こうして、希海の手紙は、無事、崇史に届くこととなったのである。


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 後日、崇史が手紙の事を御影に聞いたところ、御影は腹を抱えて笑い転げていたと言う。




番外編 終わり。