そう考えなければとても納得できない状況だった。
大きなゴミをかき集めて床のべとつきを拭き掃除でとっている間にも一樹は1人でテレビを見て笑い声を上げている。

なにがそんなに面白いのだろうと手を止めて見てみると、お笑い番組を見ていた。
優莉奈も毎週欠かさず見ていた番組に胸の中にまたモヤモヤが広がっていく。

一樹だけが楽しんでいるのではないかと、不満が膨らんでいく。
その不満をどうにか押し込めて、優莉奈は最後まで掃除をやり終えた。

ここへ来てから1時間も掃除しっぱなしだったことに気がついて驚きた。
優莉奈の好きなお笑い番組はちょうど終わったところだった。

「あ、終わった? はぁ、面白かった」
一樹が笑い泣きしながら近づいてくる。

咄嗟に優莉奈は数歩後ずさりをした。