分厚いゴム手袋をしてマスクをつけた優莉奈はゴミ袋の中でぼんぼんとゴミを突っ込んでいる。
捨てていいかどうかわからないときには一樹に質問することになっている。

その一樹はさっき優莉奈が掃除を終えたソファに座ってテレビを見ていた。
最初掃除道具を出してくれた意外はなにもせずにジッと優莉奈の行動を見ていた。

掃除の仕方がわからないのだろうかと思っていたけれど、ソファが綺麗になった途端にそこに座ってリラックスしはじめてしまったのだ。
なんだかこれ、おかしくない?

せっせと掃除しながら胸の中にモヤモヤとした気持ちが広がっている。
ここは一樹の部屋で、それなのに自分ばかりが掃除をしている。

これじゃまるで掃除婦みたいだ。
そう考えて慌てて左右に首を振って考えをかき消した。

そんなことない。
私は一樹さんの彼女で、明日彼のお母さんに会うからその準備をしているんだ。