☆☆☆

これはもう、付き合っているってことでいいのかな。
学生時代なら告白されたりしたりして、OKをもらえれば交際スタートだとわかりやすい。

だけど大人の恋愛になるとちょっと違う。
告白よりキスが先だったり、なんだったら体の関係が先になってしまうことだってある。

もっとわかりやすければいいのに。
そんな風に考えながらも優莉奈の心臓はドキドキしっぱなしだった。

一樹の暮らすマンションへの道のりでは最近見た映画の話をしていたのだけれど、会話の内容はほとんど覚えていない。
心臓が今にも爆発してしまいそうで、とてもそれどころではなかったのだ。

「ここが俺の部屋」

エレベーターで15階まで上がってきて少し歩くいたところで、一樹がスマートな動きでカードキーを取り出す。
「さ、さすがですね。こんないい場所に暮らせるなんて」