梓ちゃんも一樹も人気者だから、いつ誰から嫉妬の嵐を食らうかわからない。
できるならこの3人の中だけの秘密にしておきたい気持ちはある。

だけどまぁ、あれだけの人数が参加していた飲み会で仲良く話をしていたから、もう手遅れか。
「それでさ、ちょっと聞きたいんだけど」

俊介の言葉に傍を我に返って視線を向けると、俊介はなにやら困り顔になっていた。
「なに?」

「和嶋さんって、どういう人かな? 俺、ここに来てまだ日が浅いからわからなくて」
あぁ、梓ちゃんについて質問したかったのかとようやくわかった。

ということは、俊介もまんざらじゃないんだろう。
あれだけの色気美人に声をかけられて嫌な気持ちになる男性社員はそういないと思っていた。

「仕事はまぁまぁかな? 気さくで話しかけやすくて、いい子だよ」
優莉奈は梓に持っている印象をそのまま伝えた。