だからマイちゃんが飲みすぎてしまうのも無理はない。
「楽しく飲めたのなら、それでいいじゃない」

「さすが先輩! わかってますねぇ!」
マイちゃんは嬉しそうに言ってデスクに手鏡を置く。

そして毎日のルーティンのようにリップを直し始めた。
出勤して間もないから化粧くずれだってしていなさそうだけれど、これでマイちゃんの仕事の指士気が上がっているのかもしれない。

「それで、谷川さんとはいい感じになったんですか?」
突然の質問に優莉奈は目を白黒させる。

そういればマイちゃんは途中で眠ってしまったから一樹と優莉奈の出来事をほとんど知らないままなんだった。
マイちゃんに話すべきかどうか悩んでいる間に、俊介が出勤してきた。