次の日の休みは二日酔いでずっと寝ていたためほとんど記憶がないままに過ぎていった。
「先輩、私のこと送って帰ってくれたんですよね? ありがとうございますぅ!」

早めに出社してメールチェックをしていたところ、マイちゃんが両手を合わせて声をかけてきた。
まだ就業時間まで10分はあるから、昨日のデートは早めに切り上げたのだろうということがわかった。

「お礼なんて別にいいわよ。マンションが同じ方向だから、タクシーに乗せてあげただけ」
さすがに、酔いつぶれたマイちゃんのことを男性社員に預けることはできなかったので、優莉奈が一緒に帰ったのだ。

それを他の人から聞いたんだろう。
「久しぶりの飲み会だったから、つい飲みすぎちゃいましたぁ」

舌を出して言うマイちゃんに優莉奈は笑う。
流行り病のせいで大学時代でも飲み会や歓迎会はなかったという。

マイちゃんが入社したときにも歓迎会の話は出ていたものの、その頃ちょうど会社の繁盛期を迎えていて時間をとることができず、実行されることはなかった。