初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~

その光景を思い浮かべて笑ってしまう。
賑やかで、とても楽しそうな職場だと思う。

「それじゃこっちでは少しさみしいんじゃないですか? 会話が少なくて」
「その分集中して仕事ができるんですよ」

それはそうかもしれない。
どっちの職場を好きになるかは、その人次第だ。
同じ系列の会社でも場所や人によって全然違う雰囲気になるから、自分にあった場所ならラッキーだ。

それはとても面白いことだと感じる。
「それよりも、ちょっと気になることがあるんです」

しばらく仕事について話をした後、谷川が言いづらそうに優莉奈を見た。
「気になることですか?」

仕事のことでなにかあったんだろうか。
それならその時に言ってもらえばよかったのだけれど、まだ慣れていない空間だから声をかけづらかったのかもしれない。