どうして私は今ひとりで泣いてるんだろう。
今日は大ちゃんからプロポーズを受けて、ふたりでホテルに止まる予定だったのに。

いや、その予定にしていたのは自分だけだとわかっている。
勝手に自分にいいような妄想をして、そして傷ついただけだとわかってる。

大ちゃんからすれば今日あのレストランを予約したのは私への謝罪の意味が込められていたんだろう。
身勝手に別れを切り出すための準備をしていたことになる。

「なんでこうなっちゃうのぉ?」
マンションの一室、自分のベッドの上で優莉奈はさっきから泣きじゃくっていた。

大ちゃんはいい人だし、絶対にうまくいくと思っていた。
それが、こんな風に終わってしまうなんて。

「いつもいつもこうだよ。私って恋愛下手なのかなぁ」
ぐずぐずと涙をこぼしながらひとりで呟く。