「へ!?」
ここまできて何を言い出すのかと思えば梓は肩をすくめた。

「だって、自分よりもお酒が弱い人と飲むのって不安じゃないですか? 自分が相手を介抱するのかなとか、こっちまで酔いつぶれたときはどうするのかなとか。なにより相手のことが気がかりで多く飲めませんよね」

ベラベラと喋り始めた梓に優莉奈は唖然としてしまう。
どうやら梓は無類のお酒好きみたいだ。

同じペースで、同じような酔い方をする人が相手じゃないと不満があるらしい。
「そ、そっか……」

「じゃ、話聞いてくれてありがとうございます」
梓はそう言うと1人だけスッキリした表情で食堂を出ていったのだった。