すると、有名な縁結びの神様から少し離れた箇所に、小さな神様が祀られているのがわかった。
一応ネットに情報はあるものの、写真や住所すら記載されていない。

「私達が行ったのって、ここかもしれないよね」
「そうだな。それにしても神様の名前も書かれてないとか、どんな場所だよ」

なんだかいわくつきの危険な場所じゃないかと思えてきてしまう。
「俊介、明日暇?」

突然話題が変えられて思わず「暇」と、返事をしてしまった。
本当は梓ちゃんから誘いを受けていたのだけれど、今日の出来事を思い出すととてもデートする気分にはなれない。

どうせ断るつもりでいた。
「私達の地元に戻ってみない?」

「地元って、結構遠いぞ?」
大阪よりももっと西にある地方都市だ。