初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~

「俊介モテそうなのに可哀想」
「可哀想って言うな。優莉奈も同じだろ」

そうだね。
私だち同じだね。

心の鬱憤を吐き出したせいか、急に酔いが回ってきた。
気持ちはスッキリしているけれどまぶたが重たい。

「おい、ここで寝るなよ。マンションまで近いんだろ?」
俊介のそんな声が遠くに聞こえてくる。

優莉奈はそのまま目を閉じて、夢を見始めた。
それは幼い頃の夢。

もうずっとずっと昔の出来事で、すっかり忘れてしまっていた出来事。
『ついたよ!』

これは誰?