「そうだね。あの時前に進めなかった俺がこの名前を出すのが苦しかった。時が止まっていたからトキにって名前にして嘘をついた」






「もう、時は進んだ?」





「あぁ。こんな俺でも好きでいてくれる?」





「好きに決まってる。だって――」








3回、桜の木の下で異性と出会うと結ばれる。





あの時はただの気まぐれだったけど、少し噂を信じるのも悪くない。





だって、私は名前を知らない彼と結ばれたのだから。