甘すぎる嘘でからかう御曹司様、私と結婚して下さいますか?

「えっと、君は誰?」

男性は不思議そうに尋ねる。

「美玲《みれい》の姉の美都《みと》です!」

「ああ、美玲ちゃんの!」

男性が何かを納得している。


「妹を返して下さい!妹はお金のために貴方と・・・!」


「ちょっと待って」


「何ですか!」

「俺、美玲ちゃんの夫じゃないよ?」

「はい?」

「俺は、祐司《ゆうし》・・・美玲ちゃんの旦那の友達。今日は二人に夕飯を誘われたんだけど、二人が遅くなるから先に家に上がってって言われてさ。ついでにお風呂借りちゃった、的な?さっきも二人が帰ってきたと思って鍵だけ開けたんだ」

男性は何が面白いのかケラケラ笑っている。