【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!

「目の前にセレーナというターゲットがいれば、暗殺者がなにかしらの行動を起こすかもしれないでしょう?」

「まさか、ご自身が囮になって暗殺者をおびき出すおつもりですか」

 ユーリスが険しい口調で問うてくる。
 表情と声音は厳しいが、それはベアトリスの身の危険を案じるがゆえのこと。

 私のことをすごく心配してくれているんだ……と内心嬉しくなりつつ、ベアトリスは澄まし顔でユーリスに尋ねた。

「なにが起きても、私を守ってくれるんでしょう?」

 そう言った途端、心配そうな顔をしていた彼が表情を引き締め、頼もしくうなずく。

「お任せください。必ずお守りいたします」

 ユーリスの言葉に勇気を貰ったベアトリスは、さっそく関係者を集めて茶会と称した囮作戦を決行した。


 ✻  ✻  ✻

 
 約束の期日まで残り二日に迫った頃──。
 
 王妃は私室のガーデンテラスで、セレーナの監視を行っていた密偵から報告を受けていた。

「は? 毎日、お茶会やパーティを開いているですって? まあ、ふっ、ふふふふっ! アハハハハッ!」