【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!

「セレーナ、これが最後の機会ですよ。『努力する』だなんて、口ではいくらでも言えるの。結果で示しなさい」

「はい……! あっ、ありがとう、ございます!」

 王妃は、こちらを一瞥(いちべつ)して去っていった。

 途端、人々が談笑を再開し、場が賑やかさを取り戻す。

 ベアトリスは、とりあえず良かった……と胸を撫で下ろした。
 
 だが、ホッとしていられたのも束の間。

「犯人逮捕、しっかりと頑張ってくれよ、セレーナ」

 にっこり腹黒い笑みを浮かべたフェルナンに肩を叩かれ、本当の戦いはこれからだと思い知る。

(あぁ、もう! どうしてこう次から次へとトラブルが起きるのよ!!)

 ベアトリスは前途多難な状況にひっそり頭を抱えるのだった。



 夜会の後、ベアトリスとフェルナン、そして護衛のユーリスとポールは、セレーナの私室に集合していた。
 
 ベアトリスが姿見の前で【鏡よ鏡、聖なる乙女の姿を映したまえ】と詠唱すると、鏡が水面のように揺らめき、セレーナの姿が映し出される。

 この鏡は一見、普通の姿見だが、実は聖女のみが扱える聖魔道具。鏡を通して、郊外の屋敷に身を隠しているセレーナと会話できる。