「王妃様、これから……もっと、もっと、努力します。ですからどうか……殿下のおそばに、いさせてください……お願いします……」
頭を下げると、隣にいたフェルナンも「母上、俺からも頼みます」と深くお辞儀をした。
しん──と、その場に静寂が満ちる。
気付けばいつのまにか楽隊は演奏をやめ、客は談笑を中断し、固唾をのんで王妃の返答を待っていた。
(やれることは、すべてやった……)
数十秒の沈黙が、永遠に思える。
やがて頭上から、溜息交じりの声が降ってきた。
「ふたりとも、顔をお上げなさい。はぁ……まったく、仕方ありませんね」
「──母上! ありがとうございます!」
「浮かれるのはまだ早いですよ。セレーナには課題を与えます。週末までに、例の『不穏な影』を見つけなさい。ただし、王子の手助けは禁止します。貴女が自ら考え行動なさい」
不穏な影とは、セレーナの命を脅かしている暗殺者のことだろう。
フェルナンがとっさに「一週間でなど無理です!」と抗議の声をあげた。
しかし、王妃に「お黙り!」と叱られ口を噤む。
頭を下げると、隣にいたフェルナンも「母上、俺からも頼みます」と深くお辞儀をした。
しん──と、その場に静寂が満ちる。
気付けばいつのまにか楽隊は演奏をやめ、客は談笑を中断し、固唾をのんで王妃の返答を待っていた。
(やれることは、すべてやった……)
数十秒の沈黙が、永遠に思える。
やがて頭上から、溜息交じりの声が降ってきた。
「ふたりとも、顔をお上げなさい。はぁ……まったく、仕方ありませんね」
「──母上! ありがとうございます!」
「浮かれるのはまだ早いですよ。セレーナには課題を与えます。週末までに、例の『不穏な影』を見つけなさい。ただし、王子の手助けは禁止します。貴女が自ら考え行動なさい」
不穏な影とは、セレーナの命を脅かしている暗殺者のことだろう。
フェルナンがとっさに「一週間でなど無理です!」と抗議の声をあげた。
しかし、王妃に「お黙り!」と叱られ口を噤む。



