助けを求めるようにベアトリスが視線をさまよわせれば、視界の端にユーリスの姿が映り込んだ。
彼は、右手で自分の胸をトントンと叩いている。
あれは──『貴女の思うままに話しなさい』という合図だ。
ベアトリスはまっすぐ王妃を見つめると、起死回生の一手を打つべく口を開いた。
「すみ、ません」
「貴女は本当にそれしか言えないのね。はぁ、もうなにもしゃべらなくて、いい──」
「あの、すみません……王妃様の、ご命令には……従えません」
「……………………なんですって?」
王妃が大きく目を見開き、唖然とする。
これまで「すみません」としか言えなかった気弱なセレーナが、王妃相手に明確な拒絶の意思を示したことに、その場の人々はみな驚きのあまり息をのんだ。
「わたしは……殿下を心から……お慕いしております」
人々が見守るなか、ベアトリスはセレーナの口調を真似しながら話した。
「殿下は、わたしをいつも励まし、心の支えになってくれた、大切な御方です。ですが、わたしはまだ……そのご恩を、返せておりません……」
王妃は目を細め、品定めするようにこちらを眺めている。
ベアトリスは、ものすごい威圧感で萎縮しそうになるのを必死にこらえ、演技を保ったまま言葉を続けた。
彼は、右手で自分の胸をトントンと叩いている。
あれは──『貴女の思うままに話しなさい』という合図だ。
ベアトリスはまっすぐ王妃を見つめると、起死回生の一手を打つべく口を開いた。
「すみ、ません」
「貴女は本当にそれしか言えないのね。はぁ、もうなにもしゃべらなくて、いい──」
「あの、すみません……王妃様の、ご命令には……従えません」
「……………………なんですって?」
王妃が大きく目を見開き、唖然とする。
これまで「すみません」としか言えなかった気弱なセレーナが、王妃相手に明確な拒絶の意思を示したことに、その場の人々はみな驚きのあまり息をのんだ。
「わたしは……殿下を心から……お慕いしております」
人々が見守るなか、ベアトリスはセレーナの口調を真似しながら話した。
「殿下は、わたしをいつも励まし、心の支えになってくれた、大切な御方です。ですが、わたしはまだ……そのご恩を、返せておりません……」
王妃は目を細め、品定めするようにこちらを眺めている。
ベアトリスは、ものすごい威圧感で萎縮しそうになるのを必死にこらえ、演技を保ったまま言葉を続けた。



